道往寺の概要

道往寺 山門

  • 院号一声院
  • 山号来迎山
  • 寺号道往寺
  • 宗旨浄土宗
  • 本尊阿弥陀如来像
  • 開基江戸時代寛文年間(1661-73年)
  • 住所〒108-0074
    東京都港区高輪2-16-13
    Tel:03-3446-7676
    Fax:03-6459-3900

道往寺の歴史

道往寺は江戸時代の寛文年間(1661年-73年)に建立されました。
道往寺の一帯は、かつて東京湾に面した高台でした。高輪の海岸線の景色は、葛飾北斎「阿蘭陀画鏡(おらんだえかがみ)江戸八景高縄」に描かれています。また、江戸時代後期には「廿六夜待ち」の月の名所として人気を集めました。
東京大空襲で都心一帯は空襲に遭いましたが、道往寺は庫裡は焼けたものの本堂は戦火を免れました。
2013年、本堂の大規模立て替え工事と、納骨堂の新設が完了。港区高輪に佇む開かれたお寺の中で先祖を想う。現代的で風情ある寺内をご覧ください。

阿蘭陀画鏡
東都名所 高輪名月

  • 名称 「東都名所 高輪名月(とうとめいしょ・たかなわめいげつ)」
  • 絵師 広重(歌川広重初代)
  • 年代 天保3-13年(1832-42)頃
  • 所在地 旧高輪海岸(高輪2-19 第一京浜国道)

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月見寺

浮世絵で見る高輪

現在の国道15号線(第一京浜)はかつて高輪海岸の海岸線でした。道往寺は国道15号線からわずか1分の高台に位置しているため、高輪海岸から昇る朝日、そして東の空に輝く月の見所だったといわれています。江戸・明治期の浮世絵にも当時の高輪の情景がさまざまに描かれています。

東都名所 高輪全図

  • 名称 「東都名所 高輪全図(とうとめいしょ・たかなわぜんず)」
  • 絵師 広重(歌川広重初代)
  • 年代 天保3-13年(1832-42)頃
  • 所在地 旧高輪海岸(高輪2-19 第一京浜国道)

月見の名所

江戸の三大月見といわれる、十五夜・十三夜・二十六夜。それぞれ、旧暦8月15日、旧暦9月13日、旧暦7月23日のお月見ですが、高輪は海岸線に上る満月がそれは美しく映え、月見どころとして有名でした。
特に二十六夜のお月様には、「阿弥陀様」「観音様」「勢至様」の三尊の姿が現れるといわれる月待講(つきまちこう)の一つとして信仰され、月が上る深夜まで人々が賑う海岸通り風景が東都名所高輪二十六夜待遊興之図に描かれています。

東都名所 高輪 廿六夜待遊興之図

  • 名称 「東都名所 高輪 廿六夜待遊興之図(にじゅうろくやまちゆうきょうのず)」
  • 絵師 広重(歌川広重初代)
  • 年代 天保3-13年(1832-42)頃
  • 所在地 旧高輪海岸(高輪2-19 第一京浜国道)

江戸名所 高輪の月見

  • 名称 「江戸名所 高輪の月見(えどめいしょ・たかなわのつきみ)」
  • 絵師 国輝(歌川国輝初代)
  • 年代 弘化4年(1847)

出典元:港区ゆかりの人物データベース~浮世絵散歩~

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道往寺のご詠歌

かかる世(よ)に 生(う)まれあう身(み)の あな憂(う)やと 思(おも)はで頼(たの)め 十声(とこえ)一声(ひとこえ)

御詠歌は、いわば観音霊場の巡礼歌。仏教の教えを五・七・五・七・七の和歌であらわしたもの。三十三観音霊場のそれぞれの寺院で作られているものです。

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道往寺の紹介

阿弥陀三尊

道往寺のご本尊は、江戸時代寛文年間(1661~1673年)、道往寺の開基の際に御田八幡神社にご安置されていた阿弥陀如来像をお迎えいたしました。この阿弥陀如来像は寺社書上によると恵心僧都作といわれており、戦火を逃れ実に千年の時を経て今日に至るたいへんありがたい阿弥陀様です。
阿弥陀様の左脇侍(きょうじ)は「慈悲」の仏様である観音菩薩、右脇侍には「智慧」の仏様である勢至菩薩をご安置しています。

阿弥陀三尊
寺社書上

出典:寺社書上 高輪台町伊皿子邊寺社書上 より

本堂

御本尊の阿弥陀如来像は本堂の正面中央の一番の高見に座しています。
平安時代の寺院では御本尊は本堂の最も高い屋根の下にご安置されていましたが、本堂に人が集うようになってから徐々に本堂の奥に下がっていったとされています。
道往寺の本堂は多くの人が集える場所でありつつ、御本尊様が一番高い屋根の元に座っていただきたいという思いを込めて、片流れの屋根構造としています。
片流れの屋根の最も高い位置から伸びる光筒には仏様を祝福する蓮の花のレリーフが施され、光の散花が本堂に集う人々も包み込みます。
御集りの方々に気持ちよく過ごしていただけるように床暖房、音響設備も整えました。
法要に限らず、講習会、音楽会、ヨガやイベントなど多目的にご利用いただいています。

本堂 内観
本堂 外観
本堂 内観
本堂 内観

客殿

客殿

食堂(じきどう)または講堂として40名様まで対応できる客殿です。2間に仕切ることができるので少人数でもご利用いただけます。

観音堂

観音堂

秘仏である聖観世音菩薩・千手観世音菩薩を中心に御前立像、西方三十三観音霊場各所の札所本尊の像が一堂に祀られています。観音堂には先々代観音堂の擬宝珠が安置されています。お参りの際にはぜひ探してみてください。

寺紋

寺紋

月見の名所として賑わったお寺として、阿弥陀様、観音様、勢至菩薩様の三尊がお見えになる二十六夜(旧暦7月23日、新暦の9月上旬頃)の満月と、子孫繁栄・恋愛成就の花であるカタバミをあしらった寺紋となります。

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なつかしの道往寺

擬宝珠に松の木、灯篭など…。旧本堂のものが形を変えず新本堂の随所に配されており、
現在も寺内のそこここに昔の趣をとどめています。

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住職よりみなさまへ

私が幼いころ、お寺はまちのいろんな人が集まる場所でした。
昔のように人が多く集まる、敷居の高さを感じないお寺にしたいと願い、開かれたお寺を目指して2013年大規模立て替えでこのような建物にいたしました。
たとえば、入口を西と南の2ヶ所に設けたのもこのためです。新しく設けた西門からは、車いすの方もそのまま入っていただけます。

現代は子どもから大人までいろんな悩みを持った方が大勢いらっしゃいますが、お寺がそのような方の癒しの場となれば幸いです。お寺からも、仏教のありがたい教えを今の時代ならではの言葉に変えて少しずつお伝えしてきたいと思っております。また、さまざまなかたちで地域のコミュニティー作りを提案していきたいと思っています。

昨今、お寺=お墓というイメージが一般的になってしまい、亡くなってからはじめてお付き合いが始まるというケースが多いようですが、実は仏教とは「いかに生きるか」の教えであり、「生」の宗教です。ぜひ、あなたが生きている今、生活の中での豊かな楽しみを見つけたり苦しみをのぞいたりするために、お寺に来ていただけるとうれしく思います。

住職 第20世 柏 昌宏(かしわ しょうこう)

住職 第20世 柏 昌宏(かしわ しょうこう)

住職継承前は、複数の会社の経営に携わる。
経営者としての豊かな経験から、現代社会における地域・生活でお寺が果たせる役割を再興させる施策に積極的に取り組む。